2015.05.31

無垢材の経年変化

今日は月に一度のソリウッド無垢材テーブルの選び方講座の日でした。その中で参加者の中から質問頂いたことについて今日はブログを書こうと思います。

 

それは、木材の経年変化についてです。経年変化というのは、年月が経つにつれ、製品の品質・性能が変化することと定義されます。木材でいうと、品質が変化することはほとんどありません。そこで、木材の場合、経年変化というと色味の変化を指す場合がほとんどです。では、どうして木材は時が経つにつれ色味が変化するのでしょうか?

 

色の変化は様々な要因が考えられています。ですが、最も影響しているとされるのが光に含まれる紫外線です。木の中にあるリグニンという成分があり、このリグニンが紫外線を吸収し、分解していき、その過程で木材の色が変化していきます。

 

本日頂いた質問は、「木材は時が経つにつれ色の変化が起きるということを聞いたのですが、どのような感じになるのでしょうか?」といったものです。

 

簡単に答えてしまうと「樹種によって変化の種類や程度が違う」ということになってしまいます。それでは、答えたことにならないので、ソリウッドで定番といえるウォールナット、チェリー、メープル、タモ、ナラ5つの樹種についてそれぞれの経年変化を書いていこうと思います。

 

今日は、経年変化があまりでない順に紹介していきます。

 

まず5つの樹種の中で、比較的変化が少ないのがタモ材とナラ材です。この2つの材はオイルで仕上げた当初はともに淡い黄褐色をしています。時間が経つにつれ、少し濃くなる感じがします。ですが、すぐに色が変わったなと感じることはなく、何年か経って、そういえば当初に比べると濃くなったなと思う程度です。タモに比べると、ナラのほうが濃い目の色になります。

 

経年変化が少ない順で、次にくるのが、メープル材です。メープル材は、白っぽい色味をしています。時間が経つにつれ、色味が深くなり玉ねぎを炒めた際に使われるアメ色に近い色味に変わっていきます。メープル材も比較的長い時間をかけて変化していく材になります。仕上がった当初の白が目立つ感じから落ち着いた色味になっていくと表現できます。

 

次は、ウォールナット材です。ウォールナットの場合は、色が変わってきたなというのがわりとはっきりわかる材です。仕上がった当初は、黒紫色のような濃い色味ですが、徐々に黒味や紫味が抜けてきて、明るくなってきます。最終的には赤茶色になります。これまで紹介してきたタモ、ナラ、メープルは色味が濃くなる材ですが、ウォールナットは逆で色味が明るくなってきます。

 

そして最後に紹介するのは5つの樹種の中で、最も経年変化が激しく、変化のスピードが早いのがチェリー材です。チェリー材は仕上げた当初はピンクがかった淡い褐色です。それが光に触れるとオレンジがかった茶褐色に変化していきます。変化のスピードは早く1ヶ月もすると色が濃くなってきたかなと感じます。半年すればだいぶ色味は濃くなります。ある程度色味が濃くなるとそこからの変化のスピードは極端に遅くなります。

 

チェリー材の場合、変化のスピードが早いので、特に出来上がったばかりのチェリー材の家具の上にずーっとものを置いておくと、そこだけ色味の変化がおきず色の差ができてしまいます。ですので、チェリー材の家具の場合はある程度、色が濃くなるまで待ってから小物や敷物を置くことをオススメします。

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こちらが出来た当初のオイル仕上げのチェリー材のテーブル天板です。そして

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気がつくとこのようなオレンジがかった茶褐色に変化します。

 

もし、自然素材ならではの色味の経年変化を味わえる材のテーブルが欲しいと考えているとしたら、チェリー材をオススメします。

 

今日ご紹介した材の経年変化は、屋内にある状態での色味の変化になります。これらの材を屋外において、雨、風にさらされると最終的にはグレーに変色してしまいます。これは変色に影響するというリグニンが雨に濡れることによって溶けてしまい流されてしまうためとされています。リグニンは木材の構成要素でもあるので、それが流されてしまうと徐々に組織がもろくなり、風化していってしまいます。

 

賢木@吉祥寺

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