2015.04.13

乾燥庫に入れておいたトチ材の含水率を計測したらバッチリ乾燥してました。

木材乾燥庫に入れておいたトチ材の板を取り出して含水率を計測しました。結果、充分に乾燥していたので乾燥終了としました。

木材は乾燥させないと使用できません。家具製作をする上でもとても重要な行程なんですが、意外と不透明な行程でもあるんですね。まず、「なにをもって乾燥材と判断するか」が曖昧です。木材が乾燥しているかを計測するには含水率を計測します。この含水率で乾燥しているかを判断しますが、何%以下になっていなければいけないという明確な基準はありません。

木材の規格だとJAS規格があります。JAS規格では製材された広葉樹の含水率は13%と10%と設定されています。 含水率が13%以下ならD13と表示され、10%以下ならD10と表示されます。このようにJAS規格が設定されていますが、残念ながらJAS規格認定の広葉樹製材品というのはほとんど流通されていないのではないかと思います。実際に「これはJAS規格のタモ材です。」という話を聞いた事がありません。ですが、一応このJAS規格が認定している含水率の基準は参考になります。要するに含水率10%以下になっていれば、「乾燥材」と言ってよいでしょう。

JAS規格では木材の含水率を次のように測定する必要があるようです。

(注)含水率の測定
木材の現場における含水率の測定は、次による。
(1)測定は、高周波水分計又は電気抵抗式水分計による。
(2)測定箇所は、1本の製材の異なる2面について、両木口から300㎜以上離れた
   2か所及び中央部1箇所とし、計6箇所とする。
(3)含水率は、6箇所の平均値とする。
(4)含水率測定結果の判定は、平均値が所定の含水率以下の場合、合格とする。

実はこの含水率の測定方法については、今日調べていて初めて知りました。でもこうした測定方法があると分かってとてもスッキリしました。やはり1箇所の含水率だけで判断するのは危険ということですね。僕は板の表裏それぞれ9箇所の含水率を測定して判断していました。使用しているのは高周波水分計です。

150413_3.jpg
本日乾燥庫から出したトチ材です。高周波水分計で計測した含水率を赤いチョークで書いています。10は含水率10%ということを表しています。JAS規格に基づいた計測方法だと両木口から300mm離れた2点と中央1点で計測ということになっています。一番左側に写っている板だと、8%・9%・8% となっています。木裏側の含水率は、10%・10%・9% となっています。この6点の平均は9%となります。この板ならJAS規格のD10という認定を受けられるという事ですね。

材木屋さんで板を購入する際は、乾燥材なのか未乾燥材なのかの確認を必ずする必要があります。乾燥材であっても、一度水分計で含水率を計測した方が良いと思います。材木屋さんによって「乾燥材」の基準が違うからです。

製材から1年間以上経っているから乾燥材とする材木屋さんもあれば、人工乾燥庫でガンガンに乾燥させた板を乾燥材とする材木屋さんもあります。売る側に明確な基準がないので、買う側で自分なりの基準を持っていないと駄目なんですね。

ソリウッドでは耳つきテーブルの天板に使う板は、自前の木材乾燥庫で乾燥させています。上記のトチ材のように乾燥庫に入れて1枚1枚含水率を測定して乾燥したかどうかを決めています。このように自分たちで木材を人工乾燥させている家具工房というのは多くありません。乾燥済の板を購入するか、乾燥庫を持っている材木屋さんに持っていって乾燥させてもらっている所がほとんどでしょう。木材乾燥は家具製作の重要な要素なので、すべて他人任せにする訳にはいかないという考えのもとソリウッドでは自前乾燥をしています。もちろん、全ての板をそうしている訳ではありません。ストレートカットテーブル天板用の板は、人工乾燥済みの板を材木屋さんから購入して使用しています。

そして、こんな本を買ってみました。
150413_1.jpg
すでに絶版になっているので、古本で購入しました。奥付を見ると1998年発行になっていました。すこし古いですが、木材乾燥の資料は少ないので助かります。まだじっくり読んでいませんが、新しい発見があればラッキーですね。

瑞木@相模湖

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