2015.03.21

タモ材は地味だけどあらゆる所で使われている優良木材。

なかなか春になりきらない感が満載ですね。ちょっと寒い日が続いています。来週はもっと寒くなるなんて情報もありますが… でも確実に春になってきてはいます。工房ではカメムシをよく見掛けるようになりました。虫たちも動き始めていますね。

さて、本日は地味ながらなくてはならない木材、タモ材について書きます。

タモ材はずばりオーソドックス無垢材。特に樹種の指定がなければタモ材を使うなんて感じで使われています。量販店などで売られている無垢材家具にもタモ材はよく使われています。ソリウッドでも棚やテレビボードなどでよく使用します。オーダーメイドの棚など、特にお客様から指定がなければタモ材で見積もりをさせてもらっています。

タモ材は明るい褐色をしています。木材らしい色って言うんですかね?いわゆる”木の色”って感じです。よくナラ材と比較されます。タモ材とナラ材はパッと見、とても似ています。でもよく見ると違いがあります。タモ材の方が明るい色をしています。ナラ材は落ち着いた褐色ですね。木目の出方にも違いが見られます。タモ材は木目がハッキリとでます。ナラ材の方がぼやけている印象です。

日本で流通しているタモ材の主な産地はロシアです。タモ材の多くはロシアから輸入されています。昔から安定した価格で、量も豊富で、ロシア産のタモ材はとても重宝しています。しかし、ここ数年はロシアの輸出政策が変更になり、関税が引き上げられて価格が急激に上昇しました。ロシア側が輸出量を抑えている影響もあって、日本への供給量が減っているのも価格上昇のひとつの原因になっています。ロシア産のナラ材についても同じです。日本に入ってくるロシア産の木材は基本的にドル扱いなので、円安ドル高の影響も関係しています。

ロシア産広葉樹は、安定した家具製作を行う上で欠かせない存在です。今後のロシア木材輸出政策次第では、ロシア材離れという方向にシフトしていく可能性もあります。そうなると北米産に頼る割合が急激に増えると思います。輸入元が1箇所に偏るのは避けたい状況ですね… 

タモ材と言えば野球のバットに使われる木材というイメージを持っている人も多いと思います。”バットになるアオダモの木を植えました。”というニュースが時々流れますよね。日本では、多くの選手がタモ材のバットを使用しています。プロ野球選手もタモ材のバットを好む方が多いようです。タモ材は粘りがあるので、しなっても折れにくい特徴があります。その点がバットの素材として高く評価されている点でしょう。

ところが、アメリカメジャーリーグの選手は、メープル材やヒッコリー材といったもっと堅い木のバットを好むようです。これらの木はタモほど粘りがないので、折れやすいとは思うのですが… メジャーリーグの選手たちのパワーでは、より堅いバットの方がしっくりくるということなのでしょう。日本プロ野球の最多本塁打記録を打ち立てたヤクルトスワローズのバレンティン選手はメープル材のバットを使用しているようです。以前、賢木@吉祥寺がこの件についてブログエントリーを書きました。興味のある方は一度読んでみてください。

バレンティン選手の記録の裏にメープル材あり

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タモ材で製作したダイニングテーブルです。ウォールナットのように暗い色にするか、タモのような明るい色を選択するかでお部屋の雰囲気はガラッと変わると思います。壁が白い場合、床が明るい色の場合は、タモ材の鮮やかな褐色が映えます。

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こちらは教室の生徒さんが制作したタモ材の本棚です。どんなお部屋にも合うのがタモ材の特徴なのかなと…

堅さもあって、粘りもある。鉋の当たり具合も良好。乾燥もそれほど苦労する訳でもない。家具材としてはほんとに優良な木材ですよ、タモ材。

瑞木@相模湖

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