2014.12.29

節のカタチを活かしたままテーブルにする。

年末ですね!今年も残りわずかになりました。工房も28日に大掃除をして少しだけ綺麗になりました。とにかく至る所に木屑が溜まっているので、大掃除はいつもすごい事になります。木屑の量が凄すぎてすべてを取り除くことはできませんが、気持ちよく新年を迎えられる程度には綺麗になりました。やっぱり掃除は必要ですね。

大掃除の合間を見て製作中のテーブルにちょっと手を掛けてみました。節や入り皮といった箇所を合成樹脂で埋めました。節など欠点として扱われますが、木が成長するうえでは欠かせない枝の跡です。木には必ず枝があるので、板にも当然節が現れます。

木には必ず節があります。製材すると大小さまざまな節が姿を現します。でも無垢材の家具を製作する場合はできるだけ節を取り除きます。特に見える部分には出ないように木取りをします。板の片側にだけ節がある場合もあります。その場合はテーブル天板の表には節が見えないように製作します。箱物の場合は内側に節が来るようにします。

でも節があるテーブルもなかなか格好良いものです。オーダで製作しない場合は自由に作れるので、節を入れて製作する場合もあります。節を入れる場合は、節の部分には合成樹脂を流し込んで埋めます。

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使っているのはエポキシ樹脂でレジンと呼ばれているものです。2液を混ぜ合わせて節の部分に流し込みます。すぐに硬化が始まりますが、しっかり固まるのは1日ぐらい掛かります。固まった後に研磨して木とレベルを合わせます。節の部分の埋め方にはいろいろあります。合成樹脂意外では木で埋める方法が一般的です。その場合は○型などに一旦彫ります。彫った穴に合わせた木材を埋め込みます。

樹脂で埋める場合のメリットは、節のカタチをそのまま活かせることだと思います。まん丸の節はありません。節といってもいろいろなカタチをしています。そうした自然のカタチを見てもらいたいという思いもあって樹脂を使うことが多いです。

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節いがいにも入り皮などにも樹脂を流し込みます。入り皮は樹皮を巻き込んで成長した跡です。樹種によって頻度は異なりますが、まあまあ良く起きる現象です。欠点とされているすが、それは見た目上の問題だけです。ただ、凹んでいるのでそのままだと、ゴミが溜まってしまいます。凹んでいる部分を樹脂で埋めてしまえば、使用上の問題はありません。

むしろこうした自然が残した跡を格好いいと捉える方も増えています。一昔前なら、こうした欠点は暗黙の了解で省いて使われていました。しかし、段々と節や入り皮、割れなどの欠点もそのまま楽しもうという流れが拡がってきています。本当にそのままだと、使いにくい場合もあるので樹脂で埋める方法が最適だと思います。製作上の手間にはなりますが、限りある木材という資源を有効的に使える点でやらなければいけないことなのではないかと考えています。

木目が真っ直ぐで節や割れなどの欠点のない板が当たり前だった時代はもう終わっています。そうした板が本当に少なくなりました。もう贅沢は言ってられない時期にきています。欠点(人間からみた視点)を補いつつ、使用していく術を考えていかないと駄目でしょう。

という意味で、吉祥寺ショールームに展示するために製作している耳つきテーブルはどれも節や入り皮、割れといったものが入っています。

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大掃除の目処が付いた時に樹脂を流し込みました。結構たくさん埋めなければいけない箇所がありました。個人的にはかっこいいテーブル天板になる気がしています。出来上がりが楽しみです。

瑞木@相模湖

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