2014.10.23

収納や本棚の背板について

「背板」という言葉をご存知ですか?

gooの辞書によると

1腰掛けなどの、人の背が当たる部分に取り付けられた板。

2材木から角材や板をとった残りの、片面に丸みのある板。

3「背負子」(荷物をくくりつけて背負うための木製や金属製の長方形の枠)に同じ。

4鎧の腹巻きの背中の引き合わせのすきまをふさぐために当てるもの。

とあります。実は私が普段の接客の中で一番多く使っている意味合いはこの中にはありません。1や2は家具や材木に関する意味ですが、普段の会話ではあまり使わないです。家具の業界では、1の意味の延長ととらえることができますが、収納や箱物家具の後ろ側につける板を「背板」といい、この使い方が一番良く使うかなと思います。

通常、背板は扉や引出しがついたテレビボードや収納(キャビネット)の裏側につけますが、ソリウッドでは、4ミリ厚の合板(ベニヤ板)を使うことが多いです。また、扉のついていない本棚でもほこり対策や本が綺麗に並べる事ができるように背板をつけることがあります。

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こちらの収納には、タモ材の化粧合板を取り付けています。

ソリウッドでは、無垢材を使った家具作りを専門にしていますが、壁につけて普段は見えないことが多いこととコスト的に無垢材で背板をつくるより安くなるので、このような背板には合板を使うことが多いです。同じ理由で引出しの底板にも合板を使います。

ですが、ご希望があれば背板にも無垢材を使用することが可能です。ただし、背板に無垢材を使う場合は、少し工夫をする必要があります。合板を使用する場合は、背板をつける空間の寸法にあうように1枚の合板をカットし、ビス止めをします。ところが、背板に無垢材を使う際にも同じように1枚の無垢板を使うことはありません。無垢材は外部の環境によって伸縮する特徴を持っています。その力は想像を超える強いものです。合板のように背板を1枚にすると、伸縮した際に本体の構造に影響がでてしまいます。

そのため、広い面積を無垢材で覆う必要がある場合は、ある工夫をします。ヒントはフローリングです。フローリングを思い浮かべてください。80ミリぐらい無垢板に実加工といわれる凹凸の加工を施します。そうすることで少し遊びが生じ、伸縮にも対応ができます。

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少し見づらくて申し訳ないですが、奥の背板部分をみるとフローリングのように少し隙間があるのがわかって頂けると思います。このようにして、広い面を無垢材で覆います。

これまで収納の背板をみてきましたが、今度は本棚の背板を考えていきたいと思います。

本棚のような扉や引出しのないオープンな棚でしたら、個人的には背板がないほうが好みです。

一般的には背板がついている本棚のほうが多いと思うので、背板なしの本棚は見慣れないことがあるかもしれません。なで、背板のついている本棚が多いかというと、フラッシュ構造などの軽量化された素材が用いられることが多く、背板の合板に強度面でも全体をささえる役割をもたせているからです。

無垢材の場合は、しっかりと四方を組んであげればそれなりの強度がでます。背板に頼らなくても、強度的な問題がでてきません。そのため、すっきりとした単純なデザインの本棚を作ることができます。もちろん、本棚でも合板もしくは無垢材の背板をつけることができます。

また、背板で全体を覆う必要性はないけど、本を綺麗に並べたいという要望を受けることがあります。そんなときはストッパーつきの本棚を提案します。ストッパーとは、棚板の後ろに取り付ける高さ2cm、厚み1cmぐらいの棒状の木片です。ストッパーをつけた棚板はこんな感じになります。

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こうすることで、本やCDがビシッと納まります。

今日は家具の裏方「背板」について考えてみました。裏方とはいえ、背板のあるなし、背板の素材によって見た目の印象はだいぶ変わります。本棚や収納のオーダーを考えている方は、背板についての要望がございましたらスタッフに伝えてください。

賢木@吉祥寺

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