家具屋で働く双子のブログ | 無垢の家具工房 ソリウッド・プロダクツ株式会社

無垢の木にこだわる家具工房で働く双子の兄弟がつづるブログです。
兄が相模湖工房から、弟が吉祥寺ショールームから日々の様子、木や家具のことをお伝えします。

板・木片の最近のブログ記事

木材は適材適所でいろいろな所に使われています。【No.2375】

我々の身近にある木ですが、意外と知らないことも多いと思います。日本は森林に囲まれた国で、ちょっと郊外に出れば山があります。山まで行かなくても公園にもたくさんの木が生えています。実際に生きてい木は、二酸化炭素を吸収して、酸素を放出しています。我々人間が生きていく上でも、木はとても重要な役割を果たしています。

そしてもう一つ大きな役割をしてくれているのが木材としての木です。木材もまた私たちの生活には欠かせない素材であって、木材を使わないで生活することは困難です。「そんなことないでしょ?」と思った方はよく考えてみてください。木材がなかったら木造住宅は作れません。マンションやビルが多くなっているとはいえ、以前として木造住宅は存在して、新築の木造住宅も多く建てられ続けています。コンクリートの建物であっても型枠に木材が使われることが多いです。

日本の森林は針葉樹が多いです。基本的に日本の林業は針葉樹をメインに扱ってきています。杉や檜が多いですね。杉や檜は住宅の構造材(柱や梁)として使われています。杉と檜を比べると杉の方がリーズナブルで檜は高級なイメージです。実際に木材としての価格も杉の方が檜よりも安いです。構造材は全て檜なんていう住宅は相当な高級住宅のイメージです。檜が高いのには訳があります。耐久性に優れているからです。柱はホワイトウッドの集成材が使われている家でも土台には檜が使われています。檜はシロアリへの耐久性があるので一番地面に近い土台によく使われています。昔は家の土台と言えばクリが使われていたようです。しかし、今では土台のクリの家はほとんどないようです。クリは耐久性、耐水性に優れています。土の中でも腐りにくい素材なのです。遺跡で昔の構造物に使われていた柱が発見されたりするのはクリ材が多いです。全てのクリ材が土の中でも腐らない訳ではないです。遺跡から発見される木材は偶然が重なって今でも形をとどめていたという感じでしょう。それでもクリは耐久性に優れていることが分かると思います。
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木材の性質は樹種によって、様々です。クリは耐久性に強いことから住宅の土台だけでなく、鉄道の枕木にも使われていました。現在ではクリ材の枕木がほとんど使われていないようです。それだけクリ材を確保するのが難しくなってきているからでしょう。現在、鉄道の枕木にケンパスという木材が使われているそうです。しかし、ケンパス材は防腐剤を注入することが前提みたいですね。クリの枕木には防腐剤が使われていないそうです。クリは防腐剤の浸透があまりしなく、防腐剤を注入しなくても高い耐久性があるからです。

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杉や檜は柱にもよく使われます。針葉樹は広葉樹に比べるとまっすぐに成長するので長くてまっすぐな材をとるのに適しています。二階建ての木造住宅に使われる柱は通し柱で6mくらいです。普通の柱で3mくらい。6mというと広葉樹材ではなかなか取れない長さです。広葉樹材は一般的に流通しているのは3m未満の長さです。それ以上長い材はカウンター用材としてありますが、長さに応じて価格も高くなっています。広葉樹材の場合は6m材は3m材の倍だから、価格も倍という訳にはいきません。何倍とはっきりと言えませんが、相当高くなります。あとそうした材も見つけるのも大変です。そう多くは流通していません。

広葉樹材は大きく枝別れすることが多いです。基本的に針葉樹はまっすぐに幹が伸びてそこから細い枝が生えています。しかし、広葉樹材はある程度の高さまで成長したら大きく枝分かれするのが普通です。木によっては根元に近い部分から枝分かれしているのもありますよね。ヨーロッパなどではそうした枝分かれをした部分を使って木製の船を作っていたようです。詳しい製造方法はわかりませんが、適材適所という良い例だと思います。

長さがとれない分、針葉樹に比べると広葉樹は丈夫です。針葉樹は柔らかい木材が樹種が多いですが、広葉樹は硬い樹種が多いです。なので、家具を作るのに向いています。欅(ケヤキ)は柱にも使われたりしますが、基本的には木造住宅の構造材に広葉樹が使われることは少ないです。総欅作りの家なんてのもありますが、とても高価になります。見栄えはしますが、そこまで丈夫にしなくても良いのではと思います。なので広葉樹材はもっぱら内装材として使われています。家具もそうですが、フローリングや棚板、窓枠などには広葉樹が使われることが多いです。

最近は杉の無垢材フローリングが使われるケースも増えています。今までは杉のフローリングは柔らかすぎて、すぐに傷だらけになることから敬遠されていました。けれども無垢材の温かみを感じられるフローリング材として杉もよく使われるようになってきました。価格も他の無垢材フローリングに比べるとリーズナブルな点もよく使われる要因だと思います。でも、傷やボコボコになるのが嫌な人は広葉樹材のフローリングにした方が良いです。もちろん広葉樹材のフローリングが傷がつかない訳ではないです。多少の傷はつきます。でも、杉などの針葉樹フローリングに比べたら傷はつきにくいです。

広葉樹は針葉樹に比べると硬いので家具にも向いています。逆に針葉樹材は家具にはあまり向いていません。柔らかいので強度を保つのが難しいです。広葉樹と同じ強度を求めるとかなり無骨な感じになってしまいます。なので同じように使うことはできません。針葉樹でテーブルや椅子を作れないかという相談も受けることがあります。が、基本的に向いていませんと答えています。我々も針葉樹で家具を作った経験がないので、ちょっと回答できない質問です。もちろん出来ないことはないと思いますが、我々のノウハウを活かすことは難しいので、針葉樹で家具を作ったことのある専門家に聞いた方がいいと思います。

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木の器は木工旋盤を使って作られていることが多いです。【No.2360】

先日のブログで私たちの身の回りにある木製品について書きました。改めて見てみると本当に多くの木製品が私たちの生活に溶け込んでいます。木材は本当に素晴らしい素材という証だと思います。今日はその中でも木の器について書いてみることにします。

皆さんは木の器についてどんなイメージを持っていますか?

木の器といえばサラダボウルを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。ある程度の深さがあってサラダをもる器です。複数で取り分けて使うための大型のサラダボウルから1人用のサラダボウルまで大きさはいろいろあります。

ではこうした木の器はどのように製作されているのでしょうか?

基本的には旋盤という機械が使われることが多いです。木工旋盤は木材を回転させて刃物で削っていく機械です。日本では轆轤(ろくろ)と言っているものです。日本には昔からお椀などを挽き職人さんがいました。そうした方々は轆轤という機械を持っています。自分で手作りする人もいるようです。なので、規格がなくそれぞれが工夫して使っているイメージが強いです。一方で海外ではレースとも言われる木工旋盤が主流で様々なメーカーが木工旋盤を製作して販売しています。おおよそどのメーカーも同じような形をしていて、規格に基づいて作られています。なのでパーツを含めて選択肢が豊富にあります。最近では日本でも海外製の木工旋盤が簡単に購入できるようになっています。とは言ってもホームセンターでは売られていません。専門業者が輸入して販売しています。轆轤はお椀を挽くがメインであって小型のものが多いです。でも、木工旋盤は大きい木の器も挽ける大型のものも販売されています。当然、大型になればパワーも強くなってストレスが少なく挽くことが可能になります。木工旋盤は機械の大きさで挽けるものの最大サイズが決まってしまいます。小型のもので20cmくらいまで、大型のものは50cmも不可能ではないです。ただ50cmにもなると木材を用意するのも大変です。直径50cmを超える器はそんなないですよね。実際に50cmを超える器を製作したことはないですが、木工旋盤につけて回すだけでも怖いです。

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私が使っている木工旋盤は小型のものです。もう20年以上前のモデルなので、廃盤になってしまっています。仕事で使うことはないですが、趣味で木の器を作っています。木工旋盤自体は元木工教室の生徒さんから譲ってもらったものです。木工旋盤は機械的にとても単純な作りです。モーターがあって軸が回転するようになっています。木材を回転させて、そこに刃物を当てて削っています。それなりに衝撃があるのでそれに耐えられるように丈夫にできています。

最近は自宅で趣味として木工旋盤を楽しんでいる方も増えています。木工旋盤で加工することをウッドターニングと言います。ご自宅でやることも可能ですが、やっぱりちょっとハードルは高そうです。小型の木工旋盤は10万ほどで購入できるようです。大きなお皿も作れるバワーのある木工旋盤は50万~100万円ほどだそうです。そのほかにも刃物を揃えたりする必要があります。それでも20万円ほどあれば始められそうです。ただ、木屑がとても出ます。なので部屋の中でやると大変なことになります。それ専用の部屋が必要になると思います。

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こんな感じの木の器が製作できます。

木の器のメリットは軽いことだと思います。プラスチックも軽いですが...陶器の器よりははるかに軽いです。陶器よりも欠ける心配は少ないです。流しの中でぶつけたりしても欠けることはほとんどないです。ただ、高いところから落とすと割れる可能性はあります。それでも陶器よりは可能性は少ないですね。もう少し木の器を使う人が増えてくれるといいなと感じています。

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木材乾燥庫に入れてあった板をチェックしました。【No.2340】

今日は日陰のある午前中に乾燥庫に入れてあった板を取り出してチェックしてみました。乾燥にはあまり良い時期ではありませんが、2年ほど天然乾燥させておいた板なので、それなりに乾いているかなという感じです。6月1日に乾燥庫に入れたのでおおよそ1ヶ月ちょっと乾燥庫に入っていたことになります。目指すのは含水率10%以下です。木材が乾燥しているかどうかを判断するには含水率を計測するのが、一番適している方法です。製材しているから何年経っているから乾燥していると判断する人もいますが、それだけで乾燥していると判断するのは危険です。現に2年ほど天然乾燥させた板であっても含水率は20~30%ほどでした。まあ、乾燥している地域で風通しのよい場所で天然乾燥していたのならまた話を変わってきますが... 単に年数だけで判断するのは良くないです。

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チェリーの板です。木口を見ると反っているのが分かると思います。少し両サイドが上に持ち上がっているのが分かりますよね。これは典型的な反り型をしています。木材は両面が同じ環境に置かれている場合、木表(立木の状態で樹皮に近かった方の面)側にV字に反ります。この写真の板も木表側にV字に反っています。乾燥段階でこのぐらいの反りは普通に生じます。(この板が反りやすいとかではなくこのぐらいの反りはどんな板にも起きる可能性があります。)

一旦このように反ってしまった板でも削って平面を出せば全く問題なく使用することができます。もう100%反らないとは断言できませんが、しっかりと乾燥した板であれば再び大きく反ることはあまりありません。

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どれだけ乾燥させればいいかという明確な基準はありません。用途によっても違います。建物の構造に使う木材の場合は含水率20%以下になっていれば乾燥していると判断するようです。しかし、建物の内部で使う家具用材はもっと乾燥していないとダメです。現在の住宅は気密性が高くなっているため、部屋内の気乾含水率は10%ほどと言われています。そのため家具用材の場合は含水率が10%ほどになっていることが望ましいのです。

上の写真の数字はその地点の含水率です。水分計を当てて箇所の含水率です。8・13・11となっています。この部分は板の中心に近い部分です。その中でも外側の方が含水率が低くなっています。板の中心部分はどうしても水分が抜けにくいです。なので板のいろいろな部分を計測すると板の中心部分が一番含水率が高いことが多いです。木口近くの端は水分が抜けやすく、含水率は低めです。そのため、板の中心部分の含水率を計測しないと意味がありません。板の端が含水率10%以下になっていても板の中心は含水率が20%以上あることもあります。

なので、上の写真の板はもう少し乾燥させる必要があります。やはり板の中心部分が含水率10%ほどになっている方が安心です。

今回含水率を計測した板の中でチェリー材は結構乾燥していました。後もう少しといった感じです。でも、ウォールナット材の方は部分的に含水率が高い箇所がありました。ウォールナット材は周辺部分は早く水分が抜けるのですが、中心部分は中々水分が抜けないところがあります。なので、ウォールナット材の場合は特に中心部分の含水率を計測するのが重要です。

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写真が暗くて少し分かりにくいですが。両サイドは含水率が10%以下になっているのに真ん中は33%!!! 他の樹種ではあまりないのですが、ウォールナットではよく見かけます。

おおよそ乾燥している材は木取り案も考えました。

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こちらのチェリー材はブックマッチで耳つき2枚はぎテーブルが製作できそうです。ブックマッチとは本を開いたときのように2枚の板をはぎ合わせることを言います。同じ丸太の連続した板でないと作ることができません。木口近くにフケや割れがあるため長くは使用できなくW1500~1600mm程度になるはずです。それでも4人掛けには問題ない大きさに仕上がります。

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ちょっと余談ではありますが、外で天然乾燥させていた板は表面が汚れています。砂や石も付いています。その板をそのまま機械に通すと砂や石で刃物を傷つけてしまうことがあります。なのでデッキブラシなどでこすって砂や石を落としてから加工をした方が良いんです。

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桜の季節だから木材利用されるサクラについて。【No.2239】

今日は現品販売用のテーブルを3台、吉祥寺ショップに運びました。写真は撮っているのですが、まだお見せできる状態ではないのでまたの機会に詳しく紹介することにします。ざっくりと説明すると、チェリー材の耳つきテーブル1台、クリ材の耳つきテーブル1台、ウォールナット材のストレートカットテーブル1台となっています。ストレートカットテーブルの現品は珍しいですが、ちょっとチャレンジ的な要素があるので現品販売用にしています。

さて、桜の季節です。東京ではもう散っているところもあるようですが、相模湖工房付近では今が満開です。なんかこれでもかってぐらい咲きますよね、桜の花は。なんか狂気に感じることもあります。それぐらい勢いがある咲き方をします。一般的にお花見をしている桜はソメイヨシノという品種で観賞用に開発された種類です。そのため木材利用されることはほとんどありません。ソメイヨシノをよく見ると複雑な形に成長していますよね。まっすぐに伸びているのはあまり見かけません。それに太くなっているのは中が空洞になっていることも多いです。そういった面で製材して板として使用するのには向いていない訳です。

日本で木材利用されている桜はヤマザクラという種類です。工房にも一本ヤマザクラの木が植わっています。このヤマザクラはまだ咲いていません。今日確認したところ、蕾は少し膨らんでいるのが分かりました。花が咲くのはもう少し先かなといった感じです。でも、確実に咲く方向に進んでいるのが分かります。このヤマザクラは白っぽい花が咲きます。桜と言えばピンクですが、ヤマザクラは白っぽい花をつけるようです。そして、花が咲くのとほぼ同時に葉も出てきます。なので、花だけを楽しめる日はわずかです。ソメイヨシノの場合は花が咲いてから葉が出るまで少し時間がありますよね。だからお花見ができる訳です。でも、工房のヤマザクラはあっという間に葉が出てきます。おそらくソメイヨシノは葉が出てくるのが遅くなるように改良されているのだと思います。

材としてのヤマザクラ材は非常に綺麗で良い材です。版画用の木としても知られています。浮世絵はサクラの木に彫られているそうです。堅くて粘りがあるので細かい彫りをするのに向いているみたいです。粘りがない木は細かい部分を彫るのは難しいので粘りがある木が好まれるんですね。

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以前に製作して納品したヤマザクラ材の耳つき3枚はぎテーブルです。ヤマザクラは荒々しい木目をしていてワイルドな印象がします。経年変化で色がだんだんと濃くなっていきます。本当はもっとヤマザクラ材のテーブルを製作して売りたいのですが、なかなか良質なヤマザクラ材が手に入りません。乾燥も難しい板で過去に未乾燥で仕入れたヤマザクラ材は乾燥中にたくさんの割れが入ったり、反ったり、捻れたりと使えなくなった板も数知れずです。一番悩ましいのが割れです。木口から割れが入るのはどの種類の木でも一緒です。しかし、ヤマザクラは全体的に割れがたくさん入る場合があります。バキバキに無数の割れが入ることもあります。それで使えなくなった板が結構あります。なので仕入れてもなかなかテーブルを製作できないのです。現在も乾燥中のヤマザクラ材があります。機会をみて乾燥庫に入れて仕上げの乾燥をしようと思います。うまく乾燥してくれるといいのですが...

というわけで今日は桜の季節にちなんで、木材利用されるサクラについて書きました。テーブルにはならない板で数枚幅も広くないヤマザクラの板が工房にあるので、カッティングボード的に使える板を時間がある時に作ろうかなと思っています。

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供給量が安定している北米産の木材が日本でも多く使われています。【No.2228】

また寒くなってきました。雪が降るなんていう予報も出ていますね。どうなることやら...

ソリウッドで取り扱っている木材の多くは輸入材です。国産材も使っていますが、割合的には輸入木材の方が多くなっています。世界各国から日本には多くの木材が輸入されています。ソリウッドで使っている木材は北米産、ロシア産などが多いです。最近では東ヨーロッパ産の木材を使うこともあります。

今日『物流は世界史をどう変えたのか』という本を読み始めました。この本によると地中海貿易で栄えたフェニキア人はレバノン杉という木を船で運んだそうです。紀元前から木材は国を超えて取引されていたと考えるとすごいことですね。そして今では世界中の海を木材を積んだ船が運行されている訳ですね。ちなみにレバノン杉は松の仲間だそうで、杉ではないようです。

ソリウッドで人気のあるチェリー材やウォールナット材は北米産の木材です。これらの木の産地は北米の西側です。ウォールナット材とチェリー材の産地は近いので同じコンテナで運ばれることが多いと聞きます。日本ではウォールナット材の需要が高いのでウォールナット材を仕入れる際にコンテナに空きがあるとチェリー材や他の材を仕入れてコンテナの空きを埋めるそうです。一般的にはウォールナット材の方が圧倒的に人気があるようです。しかし、ソリウッドではウォールナット材に劣らずチェリー材の人気が高いです。受注数はウォールナット材とチェリー材は同じくらいの割合です。

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チェリー材は北米産の木材なので、日本に入ってくるのは現地で製材と乾燥がされた板です。ストレートカットテーブルや椅子や棚などはこうした木材を使用しています。乾燥までされている材なのですぐに使えるのが便利です。北米の板メーカーはオートメーション化が進んでいて、現代的な工場で製材や乾燥が行われています。広大な工場であっても働いている人は少ないそうです。日本ではこうした現代的な製材工場は多くありません。北米は日本よりも乾燥しているので、乾燥の具合もいいです。人工乾燥が施されていますが、含水率は10%以下になっています。これは北米産の他の木材も同じです。ウォールナット材は乾燥がなかなか進まない樹種ですが、現地乾燥のウォールナット材はしっかりと乾いています。ただウォールナット材に関しては現地乾燥の板は乾燥の過程で本来のウォールナットらしい色が失われているとも言われています。

ソリウッドだけではなく椅子を製作しているメーカーも同様に現地製材、乾燥された板を使って生産をしています。製材メーカーは違うと思いますが、同程度の板を仕入れて使用しているはずです。なので、メーカーは違っても樹種が同じであれば出来上がりの感じが違うことはないです。塗装方法が違えば艶が違って見えますが、オイル仕上げ(ミツロウワックス)であれば見た目の違いもほとんどありません。

北米産の木材は供給量が安定しているのが多く使われる理由です。国産材の木材は供給が安定せず常に仕入れることが難しいので商品にすることが難しいのです。ソリウッドでは単発で国産材を使うことはありますが、定番商品としてラインナップするには安定感がありません。使いたいと思う国産材もあるのですが、供給量や価格でなかなか折り合いのつく国産材がないんですね。それでも全くないというわけではないので機会があれば国産材のテーブルも作っていきます。現在は北海道の下川町産の木材を使った耳つきテーブルの販売という取り組みもやっています。

というわけで日本でも北米産などの外国産木材が使われているわけは供給量という側面もあるわけです。

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無垢材家具はしっかりと乾燥させた板を使うことが大事です。【No.2211】

3月も無料講座を開催します。11日(日)はオイル仕上げテーブルメンテナンス講座、25日(日)は無垢材テーブル選び方講座を開催いたします。ともに14時から開始になります。事前に連絡を頂ければお席を用意いたします。当日の飛び入り参加でも構いません。時間までにお越しいただければ参加いただけます。講座終了後に個別に相談に乗ることも可能です。興味のある方はぜひ参加してみてください。無料講座なのでお気軽に参加してください。

無垢材は木そのもののことを指します。伐採した木を製材して板にしたものを使います。製材した板は乾燥をさせないと使えません。木は水分をたくさん含んでいます。空気に触れることで水分がドンドンと抜けていきます。水分が抜けるのに伴って体積が減るので木が動きます。その動きに伴って割れたり反ったりすることがあります。

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木口から割れが入ります。このような割れはどんな板にも起こります。乾燥段階ではこのような割れが入るのが無垢材です。でも乾燥をしっかりした板は動きが少なくなるので、割れや反りも起きにくくなります。乾燥した板だったらこの割れの部分をカットしてしまえばこれ以上割れが入ることは避けられます。絶対ではありませんが、割れが入る確率はだいぶ下がります。

板が乾燥したかどうかは含水率という数値で測ります。木材水分計を板に当てると含水率という数値が表示されます。私が使用している木材水分計は板にセンサーを当てるとすぐに含水率が表示されます。
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製材したばかりの板は含水率が50%以上あります。中には100%以上ある場合もあります。材木市場で仕入れた未乾燥材は工房に届いた時点で50~60%の含水率です。それらの板は桟積みをしてしばらく屋外に置いておきます。だいたい半年から1年間ぐらいは屋外で天然乾燥をさせます。木材乾燥には天然乾燥と人工乾燥という2つの方法があります。天然乾燥は板を桟積みして屋外または屋内に置いて木材を乾燥させる方法です。特に何もするわけではないので自然の条件によって乾燥の進度も違います。当然乾燥している場所に置いておけば乾燥は早くなります。逆にジメジメした場所に置いておけば乾燥はなかなか進みません。天然乾燥は木材に必要以上な負担をかけないメリットがありますが、乾燥するまでの時間が読めないというデメリットがあります。さらに天然乾燥では含水率があまり下がらない場合もあります。含水率をどこまで下げればいいのかは使用場所や使用用途などによって違うので一概には言えません。ソリウッドでは屋内で使用する家具を製作しているので含水率を10%を基準にしています。しかし、日本での天然乾燥では15%くらいまでは限界と言われています。条件によっては天然乾燥でも10%以下になることもありますが、相模湖工房では天然乾燥だけで含水率10%以下にするのはちょっと難しいです。

そこで人工乾燥で含水率を下げる必要が出てきます。人工乾燥は木材乾燥庫に木材を入れて気温や湿度を調整して強制的に木材を乾燥される方法です。ソリウッドでは遠赤外線を使用した方法で木材乾燥をさせています。ソリウッドの木材乾燥庫は温度が45℃程度ですので木に負担をかけにくいです。時間は掛かりますが木に負担をかけずに乾燥させることができるのが良い点です。

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木材を使用する上で木材乾燥は必須の作業です。家具工房の多くは乾燥済みの板を材木屋さんから仕入れて使用しています。ソリウッドでも乾燥済みの木材を材木屋さんから仕入れています。ですが、耳つき板は未乾燥材を材木市場から仕入れて独自の乾燥庫で乾燥させて使用しています。

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空気が乾燥している冬場は木も縮む。【No.2137】

今年も残すところわずかになってきました。寒さも本格的になってきました。相模湖工房周辺では朝の気温がマイナスになる日も増えています。日中は陽射しがあれば暖かく感じることもありますが、日陰は寒いですよね。冬といえばイルミネーションが定番の催しとして定着しました。相模湖工房の近くになる遊園地"プレジャーフォレスト"もイルミネーションを開催していて、訪れる人が増えています。何年か前に経営母体が変わって名称が変わりましたが、元々は相模湖ピクニックランドという遊園地でした。経営難に陥って買収したのが富士急グループです。富士急が経営するようになってからグッと訪れる人が増えました。その要因の一つが『さがみ湖イルミリオン』というイルミネーションです。関東最大数の600万球の電球で彩られるということです。TVCMも流れているようで知名度も高くなっているようです。人が増えるのはいいことではありますが、クリスマス時期は周辺が大渋滞するので注意が必要です。今年は12月24日が日曜日なのでその日と前日23日は夕方から周辺道路が渋滞するはずです。

冬は空気が乾燥しているのでイルミネーションが映えるようです。その他にもいくつか理由があるそうですが、空気が乾燥していると水蒸気の粒子が少なく、照明がはっきり見えるみたいです。空気が乾燥すれば、それに伴って木も乾燥します。製材された板は乾燥させてから使用します。製材されたばかりの板は水分をたくさん含んでいて、触ると湿っているのが分かります。製材された板は空気に触れている部分から徐々に水分が抜けていきます。板の乾燥具合を測る指標として含水率というのがあります。木材水分計で測ると含水率が分かります。製材されたばかりの板は50~100%ぐらいの含水率で100%を超える場合もあります。で、それらの板を一枚一枚が空気に触れるように桟木を間に入れて積み重ねて置いて置くと徐々に乾燥していきます。1年ほどその状態で置いておくと含水率は20~40%ほどになります。それだけでは乾燥が不十分なので、人工的に木材を乾燥させる木材乾燥庫に入れてさらに乾燥させます。木材乾燥庫に入れて含水率をおおよそ10%以下にすれば家具用材として使うことができます。

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乾燥庫に入れている木材の様子です。板の間に桟を入れて空気が通るようにします。桟を入れないでただ重ねて置くと全く乾燥が進みません。水分が逃げずに表面がカビだらけになることもあります。なので、製材した板はすぐに桟積みするのが基本です。

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乾燥庫から出した板は木材水分計で含水率を測ります。一箇所だけで判断するのは危険なので、表裏計18箇所で計測しています。一番乾きにくいのは板の中央部分。ここが乾いていれば他の箇所もだいたい乾いています。板の端は水分が抜けていきやすいので含水率は低めです。そのため端の部分を計測しただけでは不安です。板の端と中央部分では全然含水率が違う場合もあります。端は含水率が10%以下になっているのに、中央部分は20%以上あるなんてこともあります。

とこのようにソリウッドでは人工的にしっかりと乾燥させた板を使っています。が、乾燥が進んだ板であっても周りの状況に応じて水分を吸ったり、放出したりします。冬場は空気が乾燥しているのでそれに合わせて木も水分を放出します。なので、冬場は木は痩せています。夏になって湿度が高くなると水分を吸収して少し伸びます。板は幅方向で伸び縮みをします。長さ方向ではほとんど変化しません。どのぐらい伸び縮みするかは板によりますが、数mmは確実に動いています。1cmぐらい動くこともあります。

この収縮に伴って、板が動くことで反ったり、割れが入ったりします。木が動いても過度に力が掛からないよう工夫はしていますが、どうしても反りや割れを完全に防ぐことはできません。防ぐためには一年を通じて温度や湿度を一定に保つことが重要です。でも現実的にはなかなか難しいと思います。24時間空調で確実に温度や湿度を管理すれば反りや割れを防げるとは思いますが、そこまでやるのは不可能ですよね。冬場は室内を過度に乾燥させないように、夏場は湿度を上げないように心がけることは人間にとっても快適に過ごせると思います。無垢材の家具も同じと考えていただければ良いと思います。

というわけで今日、乾燥と木材について書いてみました。

瑞木@相模湖

北米産チェリー材と国産ヤマザクラ材。【No.2029】

無垢材家具の世界でもブーム的なものがあります。人気樹種も緩やかではありますが、変化していきます。これは時代の流れや住宅事情などが影響していて、木材自体の良い悪いではないのですが... 最近は北米産のウォールナット材の人気が高いです。かれこれ数十年人気樹種である事は間違いありませんが、その人気は衰えることがなくずっと続いています。最近では世界的需要の高まりによって価格がさらに高騰して、我々を悩ます種になっています。ソリウッドでもウォールナット材の人気は高いですが、同じく北米産のチェリー材も同じくらい人気があります。他の家具屋さんや材木屋さんの話を聞いてみても、ウォールナット材の方が断然人気があるようですが、ソリウッドでは同じくらいもしくはウォールナット材以上にチェリー材のテーブルや椅子も売れています。

チェリー材は北米産の広葉樹材です。ペンシルベニア州などアメリカの北東部が主な産地になります。アメリカンチェリー材、ブラックチェリー材などと呼ばれることもあります。ソリウッドでは単にチェリーと呼ぶことが多いです。呼び名は色々ありますが、どれも示す木材は同じです。チェリー材は色に特徴があります。特に経年による色変化が大きく、その色変化が人気の一因でもあります。削ったばかりのチェリー材は少しピンクがかったオレンジ色をしています。空気に触れることでどんどんと色が変化していきます。どの木材も経年による色変化はしますが、チェリー材はそのスピードと変化具合が大きいのが特徴です。時間が経つにつれてオレンジ色から艶のある濃い茶色へと変化していきます。

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完成した時点ではこのような色をしています。ここからどんどんと色が濃くなっていきます。

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これは私が自宅で使用しているチェリー材のMAYチェアです。購入してから2年以上が経ちますがすっかり濃い茶色に変化しています。

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購入した時に撮影した写真がこちらです。色が大きく変化しているのが分かると思います。完成した当初の色も素敵なんですが、残念ながらこの色をキープすることはできません。個体差はありますが、どのチェリー材も経年で色は変化していきます。変化した色は艶があって良い感じで、革の変化と似ているかもしれません。こうした素材の経年変化が好きな人にはチェリー材はオススメです。

チェリー材は日本だとサクラ材ということになります。サクラは日本人にとっても馴染み深い樹木で、知らない人はいない木だと思います。特にお花見をすることで有名なソメイヨシノをみたことない日本人はいないくらい至るところに植えられています。しかし、ソメイヨシノは観賞用に改良された品種で木材利用されることはほとんどありません。日本国産のサクラで木材利用されているのはヤマザクラという種類です。ヤマザクラはソメイヨシノに比べると花が白っぽく、すぐに葉も出てきます。工房の隅に山桜の木が一本生えていますが、花の見頃はソメイヨシノより少し遅くごくわずかな期間しかありません。山桜の花を見るとソメイヨシノが観賞用に作られて観るのに適した樹木だというのがよく分かります。

ヤマザクラ材は家具にも使用されますが、版画の版木にも使われているそうです。彫るのには堅そうな気がしますが、版木としての丈夫さがヤマザクラ材にはあるそうです。ヤマザクラは乾燥させてしまえば動きが少ない木ですが、乾燥中にはよく動きます。特に目の荒いヤマザクラ材はよく捻じれます。割れも入りやすいですね。乾燥される立場からみるとヤマザクラ材は厄介な樹種です。

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こちらは先日納品したヤマザクラ材の耳つき3枚はぎテーブルです。ヤマザクラ材は現在では供給量が少なく、幅広めの板を入手するのが難しくなっています。そんな中でなんとか入手できて、乾燥もうまくいった板を使用して製作しました。一般的にチェリー材と比べるとヤマザクラ材の方がワイルドな木目になりますね。ヤマザクラ材もチェリー材同様に経年によって色が濃く変化します。

ヤマザクラ材の耳つきテーブルももっとたくさん製作して販売していきたいのですが、なかなか良い板を仕入れることができません。良い板であっても乾燥中に割れたり、捻じれたりしてこちらの思い通りに使うことができなかったりと厄介ではあります。でも、ヤマザクラにしかない木目というのもありますから、できれば国産のヤマザクラの良さを多くの人に知ってもらいたいなと思っています。

瑞木@相模湖

粗木取りをしながら板の整理を進めています。【No.1959】

本格的に暑くなる前に土場の整理をしています。乾燥中の板はもちろんの事、屋根がついている部分には1度人工乾燥を終えた板を置いています。人工乾燥を終えた板は室内に保管するのがベストですが、室内に置けるスペースも限られているので、外に置いておくケースもあります。1度人工乾燥させた板を雨に濡らしてしまうのはもったいないので、屋根がある場所で保管しています。

天然乾燥中の板は雨に濡れても構いません。「乾燥させているのに雨に濡らして大丈夫なのですか?」と質問を受けることがあります。答えは「大丈夫です。」です。木材の中に存在している水分は2通りあります。自由水と結合水と呼ばれています。木材乾燥で重要なのは結合水を外に出すことです。結合水とは細胞の中にある水分でなんらかの成分と結合している水分のことです。雨に濡れた場合の水分は少し時間が経てば乾いてしまいます。なので、天然乾燥中に雨に濡れることはそれほど大きな問題ではありません。

乾燥させた板の中で使い易い板はすぐに使用してしまいます。でも、使いにくい板も存在している訳でそんな板が結構な数溜まってきてしまっています。それらの板を使用するために整理をしています。残ってしまっている板は割れが入ってしまっていたり、3枚ペアで仕入れて2枚を使って1枚余っているなんていうケースが多いです。これらの板をどう組み合わせてテーブル天板にするかを考えていきます。

真ん中で大きく割れてしまった板は、その割れに沿ってチェーンソーでカットしてしまいます。幅は狭くなりますが、はぎ枚数を多くすればテーブル天板に使用することができます。

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大きい板は機械に入らないのでチェーンソーでカットしています。家具を製作するのにチェーンソーを使うのはイメージしにくいと思いますが、粗木取りをするのには結構便利です。粗木取り用としてクロスカットやリッパーがありますが、大きい板は入れることができません。また、反っていたりすると上手く機械に入らないケースもあるのでそうした板はチェーンソーでカットした方が良いです。

チェーンソーの刃も当然使えば切れなくなります。切れなくなったら目立てをします。チェーンソーの刃は棒ヤスリで目立てをします。刃のひとつひとつを棒ヤスリでシュッシュッと研磨していきます。
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慣れている人は棒ヤスリだけで磨いていくそうですが、私は慣れていないのでジグを使って研磨しています。刃に対してヤスリを当てる角度が重要だそうです。私の使用しているチェーンソーは30度の角度でヤスリを当てのがベスト。ジグに書かれているラインを目安にして当てていきます。一つの刃に対してヤスリで3~5回ほど研磨すれば良いそうですが、これで本当に良いのかは?です。気持ち的にはもっとたくさん研磨したいのですが...

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目立てに使用しているのはこのような棒ヤスリです。刃の大きさや形によって使用する棒ヤスリの径も変わってきます。

鉋や鑿の刃を研ぐのには慣れているので、上手く研げているのかどうかを判断することは出来ます。でもチェーンソーの目立てはまだ自信がないです。

今日もチェーンソーの目立てをしました。その後に使ってみたところ、スッと刃が入っていく感じがしました。目立ての効果はある程度あるようです。切れる刃だと切り屑が大きくなると聞いたことがあります。今日切った際に出た屑を見てみると大きい屑が出ていたので、目立ても上手くいっているのかなと思っています。

とまあ、こんな感じでたまにはチェーンソーを使って粗木取りなんかもしています。明日は雨が降りそうなので、板の整理はできなそうです。

瑞木@相模湖

木材乾燥は重要なんです!【No.1924】

先日のブログエントリーで木材を使用する上で乾燥はとても重要という話を書きました。木の性質を最大限に活かすには乾燥をしっかりさせる必要があります。日本の林業、国産材が外国産木材に負けている点のひとつに乾燥があることは間違いありません。外国産木材を使用する理由のひとつに動きが少ないということがあるからです。でも、これは単に外国産木材だから動きが少ないわけではなく、乾燥がしっかりされているから動きが少ないんですね。

木材の利点を得るためには乾燥がとっても大事です。【No.1920】

でも、いくら乾燥をしっかりとさせても木は動くんですね。こればっかりは止めることができません。無垢材は周囲の環境に応じて水分を吸ったり、放出したりします。乾燥した空気の中に置けば、水分を放出します。湿った空気の中に置けば水分を吸収します。こうした水分のやりとりの影響で木は動きます。

この事を理解していないと無垢材で家具を製作することはできません。

でもどのくらい変化するのかは使用環境や木によって違います。幅が850mmのテーブル天板なら1センチくらいは伸びたり縮んだりしても驚きはしません。これから梅雨の時期になって空気は湿ってきます。なので木材は水分を吸収して伸びます。家具を製作する側からするとこれからの季節は少し注意が必要なんですね。

「乾燥をさせてもこれだけ動くなら乾燥をさせる必要はないのでは?」と思う方もいるかもしれません。私もそう考えた事もありましたが、やはり乾燥は必要です。木は1度水分が抜けると元に戻りにくくなる性質を持っています。木材のヒステリシスと呼ばれる性質です。なので1度含水率を低くすることによって、含水率を低く保ちやすくなるんですね。

木材を屋外などに桟積みして乾燥させる方法を天然乾燥と言います。木材乾燥庫などに入れて人工的に木材を乾燥させることを人工乾燥と言います。天然乾燥と人工乾燥、言葉を並べてみると天然乾燥の方が良さそうに感じます。天然物の魚と養殖物の魚だとなんとなく天然物の方が美味しそうに感じるのと同じではないでしょうか。でも、木材乾燥に関しては天然乾燥だけでは不十分で人工乾燥をした木材の方が安心して使用することができます。人工乾燥は天然乾燥だけでは到達しにくい含水率まで下げる事が可能です。1度低い含水率まで経験させることが重要です。最近の住宅は気密性が高くなって乾燥していることが多いです。なので人工乾燥の必要性が高くなっています。

ソリウッドで乾燥させている板は含水率が10%以下になるまで乾燥させています。現代の気密性が高い住宅の平衡含水率は10%と言われています。要するに木材をそこに置いておくと含水率が10%になるという意味です。なので、含水率が15%の板を置けば10%になるまで水分を放出させます。含水率20%の板を置けば10%になるまで水分を放出させます。逆に含水率5%の板を置けば含水率10%になるまで水分を吸収します。なので、はじめから含水率が10%に近い板で製作しておけば、部屋に置いても水分の移動が少なくて済む訳です。いたって単純な理由です。

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木材乾燥が重要な理由が分かって頂けたでしょうか?木材乾燥は一筋縄にいかない難しい分野ではありますが、その分挑戦のしがいがある分野でもあります。いかに板の損傷を少なく乾燥させるかは木材を有効利用する上でとても重要です。そして面白い分野でもあります。なんでこの板は割れちゃったんだろう、なんでこの板は乾きにくいんだろうと考えるは楽しいです。答えは簡単には見つかりませんが...

なのでこれからもじゃんじゃんと木材を乾燥させて経験値を増やしていこうと考えています。

瑞木@相模湖