2016.06.04

サクラの代用材として使われるカバ材、実はとっても魅力ある木材なんですよ。【No.1574】

私の好きな樹種のひとつにカバ材があります。カバといってもいろいろなカバがあります。家具に使用されるカバはウダイカンバ、ダケカンバ、ミズメ、オノオレカンバなどがあります。カバは硬さも充分あって粘りもあって、仕上がりも綺麗なので家具用材として申し分のない素材なのです。でも、あまり有名ではありません。もう少し良い扱いをされても良い材だと感じています。

木材業界や家具業界では、カバはサクラの代用材として使われきました。サクラ材と表記されている家具の多くは実際に使用されているのはカバ材でした。カバザクラという言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。フローリング材などではカバザクラという名前が浸透しています。でも、実際にカバザクラという木があるわけではありません。単にサクラに似ているカバという意味で名付けたに過ぎません。日本人には、サクラ=良いイメージという先入観があるようでサクラとつくとよく売れたそうです。

そもそもカバ材とサクラ材(ヤマザクラ)は似ているのか?正直にいうとそんなに似ているとは私は思います。確かに色や時々現れるギラギラしたような模様は似ていなくもないですが… 普通のカバ材とサクラ材(ヤマザクラ)はハッキリと区別が付きます。

カバ材の中で最も評価されているのは、ウダイカンバです。マカバとも呼ばれています。漢字で書くと”真樺”。真の樺と言われるだけあって木目の美しさは他のカバ材とは一線を画しています。国産広葉樹材の中で最高級材とひとつとされています。ウダイカンバの特徴は、色と木目の緻密さ。中心に近い部分は赤褐色になります。この赤みが強ければ強いほど良材として評価されます。
160604_1.jpg
過去に納品したウダイカンバ材の耳つき2枚はぎテーブルです。北海道産のウダイカンバです。緻密で透明感のあるカバらしさが存分に発揮されているテーブルに仕上がったと思います。このクラスのウダイカンバ材はなかなか入手できません。

160604_2.jpg
こちらは上のテーブルと同じ丸太から採れた材で製作したテーブル天板のアップです。この時仕入れたこれらのウダイカンバ材はとても綺麗でした。残念ながらウダイカンバ材の流通量はそう多くなく、なかなか仕入れることができません。また出会えると良いのですが…

ウダイカンバ(マカバ)とミズメ、オノオレカンバを除いたカバ材のことを木材業界では”雑カバ”と言います。”雑カバ”の多くはダケカンバという木です。ダケカンバはウダイカンバほど色が赤くありません。木目の様子はとても似ています。

160604_3.jpg
こちらがダケカンバ材の耳つきテーブルです。ウダイカンバに比べると黄色が強いですよね。色が白い部分の量も多くなります。それでも木目は緻密で透明感があります。

160604_5.jpg
こちらは吉祥寺ショールームに展示中のカバ材耳つき2枚はぎテーブル用の板です。白い部分が多めではありますが、カバ材らしい緻密な木目と透明感は充分に味わうことができます。ギラギラした模様も健在です。W1800×D850程度の大きさでテーブルにすることができます。同じ丸太から製材された板を使用しています。2枚の板で色が濃い部分の色味が若干異なります。これも無垢材の面白さのひとつだと思います。

160604_6.jpg
こちらはカバの端材でつくった器です。売りものではありませんが、カバ材の特徴がよく現れているので写真を撮ってみました。個体差があるので必ずしもこうした透明感のある木目を持っている訳ではありませんが、こうした模様をもつカバ材は多くあります。

どうですかね?カバ材の魅了を少しは知って頂けたでしょうか?

単にイメージだけでサクラの代用材と使われるのは納得がいかないほど魅力を持った材なんですよ、カバは。今後も材木市場でカバ材を仕入れてこの魅力がつまったテーブル天板を提供できるようにしていきたいです。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest