2015.09.14

タモ材はこんな木材だ!【No.1310】

先日のブログエントリーでナラ材について書きました。ナラ材は明るめの褐色をしています。そのナラ材の色と似ているのがタモ材です。タモ材はナラ材よりも少し明るい褐色というイメージですかね。タモ材を取り巻く環境も近年劇的な変化をしているのでその辺に触れながらタモ材について考察していきます。

タモ材というとよく耳にするのは、”アオダモ”という木だと思います。そう野球のバットに使われる樹種です。バット用の素材として”アオダモ”はとっても重宝するようです。タモ材は粘りがあるため、折れにくい性質をもっています。衝撃を与えてもすぐにパキッと折れるのではなく、しなって粘る性質があります。そのためバット用の素材として使われています。タモ材を好む打者はどちらかというとパワーない系の人のようです。要するにバットのしなりを利用してボールを飛ばすのに最適なのがタモ材なのです。メジャーリーグのホームランバッターは逆に固くて粘りの少ないバットを好んで使用しています。ヒッコリーやメープルといった樹種が人気のようです。

家具に使用されているタモ材は”ヤチダモ”という樹種です。無垢材に限らず化粧合板などでもとても多く使用されている材種です。木材界ではオーソドックスな木材という位置づけになっています。ソリウッドでも標準的な木材として取り扱っています。特に樹種を指定されないお客様にはタモ材で見積を作る事が多いです。

オーソドックスな木材として広く使用されるのは、その扱いやすさにあると思います。乾燥難度も普通ですし、特別重くない、軽くもない、加工がしやいなど製作者サイドにとっては有難い木材です。

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いかにも木という色をしていますよね。導管がわりと太いので木目はハッキリと目立ちます。お部屋の雰囲気も明るくなります。他のインテリアとの調和もとりやすいと思います。

国産のタモ材もないことはないですが、多くはロシアから輸入されています。ロシア産のタモ材は色も均一的でとても良質です。ロシアからは丸太で日本に入ってきます。タモ材の多くは日本で製材、乾燥が行われています。そのため、厚みに関しては日本規格で製材されています。21mm、27mm、34mm、45mmが標準規格になります。この厚みのタモ材は流通量が多いので簡単に入手することができます。広葉樹を扱っている材木屋さんだったらタモ材を在庫していないなんてことはまずないでしょう。そのぐらいたくさん流通しています。需要も多い木材です。

しかし、近年は状況が変わってきています。ナラ材同様にロシアの輸出制限がかかっているので、日本にくるタモ材の量が極端に減っています。タモ材を製材して販売している材木屋さんはタモ材の確保に苦労しているようです。ナラ材同様に価格が上昇しています。この輸出制限がずっと続くか、すぐに終わるかは分かりません。過去にもこういう状況があったようですが、今回は少し長く続いています。いずれまたたくさん日本に入ってくるだろうという見通しをもっている輸入業者が多いですが、今後の動向に注目です。

タモ材の仲間にホワイトアッシュ材というのがあります。ホワイトアッシュ材は北米産の木材です。要するにアメリカに生えているタモ材です。タモ材に比べると色が薄く、かなり白っぽいです。目も粗くてタモ材より荒々しく感じます。ロシア産のタモに比べと大雑把な印象がありますね。なので、タモ材の代替としてホワイトアッシュ材を使うとかなり印象の違う家具ができると思います。そのため、ロシア産のタモが減ってもホワイトアッシュ材がたくさん使われるようにはなっていないようです。

瑞木@相模湖

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