2015.09.12

ナラ材はこんな木材だ!【No.1308】

今朝は大きな地震で目が覚めました。ドシンと大きな揺れを感じたのでビックリしました。どこかで大きな地震が起きてなければ良いなと思い、ネットで情報をみると東京が1番揺れたとのことでまたビックリしました。棚の上に積んでいた本が崩れていたので、それなりに大きく揺れたようです。

ここ最近、ソリウッドが取り扱っている木材について産地や流通面からの視点を含めて考察したブログエントリーを書いています。これまでにウォールナット材とチェリー材について書きました。今日はその続きでナラ材について書きます。ウォールナット材やチェリー材についてのエントリーを読みたい方は下記のリンク先へどうぞ。

ウォールナット材はこんな木材だ!

チェリー材はこんな木材だ!

さて、本題のナラ材です。我々がナラ材と呼んでいるのはミズナラという樹種です。ミズナラは日本にも生息しています。木材としては北海道産のミズナラが製材されていますが、市場で出回るほどの量がありません。一部の木工所は国産のナラ材を入手して家具を製作しています。が、安定した供給が見込まれるほどの流通量がないのが現状です。ナラ材の多くはロシアから入ってきています。良質なナラ材の産地としてロシアが評価されています。しかし、現在は輸出制限が掛かっているために日本へ入っている量が激減しています。そのため、市場の原理で価格が上昇しています。量も少なく、材木屋さんも在庫を確保するためにとても苦労しているようです。

ロシア産のナラ材が良質とされているポイントはいくつかあります。まず、目が詰まっていること。寒い地域で育っているため、成長が遅いんです。1年でごく僅かしか成長しないため、年輪と年輪の間が狭くなっています。目が詰まっていると、乾燥時の狂いが少なくロスが少なくなります。そして何より木目が綺麗にでます。

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ロシア産のナラ材で製作したテーブルです。ナラ材の落ち着いた木目が目の雰囲気を上質なものにしてくれます。部屋を明るい雰囲気にするには明るい色のテーブルを置くのが効果的です。ウォールナットような暗い色のテーブルを置くと落ち着きはでますが、部屋の雰囲気は暗くなり大人な雰囲気になります。ナラ材の色は他の家具の色とも合わせやすいオールマイティな感じです。よくお客様から聞く話に「テーブルをウォールナット材にすると、他の家具もウォールナットで揃えないといけなくなる」というのがあります。その点、ナラ材はどんな色にでもある懐の深さを感じます。

耳つきテーブルにナラ材を選択するのは、現状としては厳しいです。耳つきのナラ材板を手に入れる事が難しくなっています。難しい理由には二つあります。一つは乾燥中に割れが入りやすい事。幅広く製材した場合、かなりの確率で真ん中付近で割れてしまいます。その確率が高いので、製材所や材木屋さんは幅広くナラ材を製材することを嫌がります。割れが入ってしまうと材木屋さんにとっては商品価値が下がることになります。商品価値が下がると分かっていて、そのように製材することは勇気が要りますよね。なので、幅広く製材したナラ材はあまり造られません。ナラ材は柾目に挽くと、割れが入りにくいのでナラ材は柾目に挽く製材所が多くあります。

もう一つは、白太の存在です。どんな樹種にも白太はあります。でもいくつかの樹種では白太がモロく、虫に喰われやすくなっています。ナラ材の白太はまさにこれに当たります。虫に喰われていない綺麗な白太を探すことは困難に近いです。

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以前に納品したナラ材の1枚板テーブルです。もうこんなナラ材入手することは出来ないんじゃないかと思っています。このナラ材もやはり白太には虫喰いの痕がありました。虫喰いの穴も合成樹脂で埋めてしまう事は可能です。それでも耳の部分にはかなり虫喰い穴があります。

まだ書きたい事もありますが、長くなるので今日はこの辺にしておきます。

瑞木@相模湖

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