2015.04.14

ワイルドかつ素朴な雰囲気のクリ材、どうでしょう?

クリ材を使用した耳つきテーブルを製作しました。過去にも何回かクリ材のテーブルを製作しています。クリ材は流通量がまずまずあって、広葉樹を扱う材木屋さんなら在庫をもっている所が多いと思います。

クリ材は昔から日本人が使用してきた材と言われています。遺跡から出土される建物の柱はクリ材が多いです。三内丸山遺跡からはクリの大きな柱が出土されています。

耐水性や耐久性に優れている木材という事で、家の土台や鉄道の枕木に使われていました。今ではその役割もコンクリートに替わってしまいましたが、クリ材の優れた木質を理解して適材適所に使われていたんですね。

家具に使う木材としてみても全く問題ありません。堅すぎず柔らかすぎず、重すぎず軽すぎず、どの要素でも真ん中ぐらいという感じです。

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現在製作中でまもなく吉祥寺ショールームにて展示ができるクリ材の4枚はぎテーブル天板です。写真は塗装前の状態です。木目はハッキリと現れています。色は少し黄色っぽい褐色。タモやナラに比べると黄色っぽい印象があります。経年変化で色は濃くなっていくと思います。明るい印象なので、部屋の雰囲気を明るく保ちたい方にはオススメです。

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こちらは耳つき2枚はぎの天板です。節や入り皮が入っていて、ワイルドさがある天板です。木目はハッキリと出ていますが、主張し過ぎずに落ち着いた雰囲気も合わせ持っています。

どちらの天板も同じ丸太から採れた板をはぎ合わせています。同じ丸太から採れた板を共木と呼んでいます。共木ではぎ合わせた天板は木目の色や印象が統一されて落ち着いた雰囲気が出やすいです。

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こちらは過去に製作したクリ材の耳つき2枚はぎテーブルです。これら3枚の写真でクリ材の雰囲気は分かってもらえたと思います。こちらの天板の脚はタモ材で製作しました。

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規格サイズで製材されたクリ材は手に入らない事もあるので、脚はタモ材で製作することが多いです。クリとタモ、どちらも木目がハッキリ出るタイプの木です。色も近いので違和感はないです。

材木市場でもクリの板や丸太は結構な量が出品されています。入手困難になる材種が多い中で、手に入りやすい樹種と言えるかもしれません。工房にも現在乾燥中のクリの板が数枚あります。クリは立木の際に虫が入りやすく、小さな虫喰いの穴があいてしまっている板が多いです。小さい穴は樹脂で埋めますが、数が多いと結構目立ちます。それがクリ材の欠点といえば欠点になるかなと感じています。今回製作している2枚の耳つき天板は虫穴はありませんでした。その代わり?に節は結構入っています……

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4枚はぎ天板にはこの4枚の板が使われています。板のどこの部分を使うかを決める事を木取りと言います。木取りはその製品の表情が決まる重要な要素です。長さや幅を考えながらどう組み合わせたたら最適かを考えます。耳つきテーブルの場合は、まずどの耳を使うかを決めます。耳のラインはテーブルの形を決めるので重要です。なるべく真っ直ぐの方が使いやすくはなります。でも少しカーブしていた方が耳つきテーブルらしさがでます。その辺のバランスを考えていきます。

木取りは悩みだすとなかなか決断がつかなくなります。私は優柔不断なのでいつも木取りの時に迷います。結構決断を先延ばしにしてしまうタイプなんですね。そんな私が悩みながら木取りした今回のクリ材耳つきテーブル。ショールームに並べてみてお客様の反応を見るのが楽しみでもあり、ちょっと怖かったりもします。

2枚はぎの方はすでに完成しています。うまく行けば今週末に吉祥寺ショールームに運べるかなと思っています。4枚はぎの方は現在最後の仕上げをしている最中です。こちらはまもなく完成です。この2枚の天板の詳細は耳つきテーブルのWebページに掲載しています。詳しく知りたい方はそちらをご覧下さい。商品IDはD1332とD1510です。

→ソリウッド 耳つきテーブル

瑞木@相模湖

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