2015.02.25

割れ、節、入り皮〜聞き慣れない単語をわかりやすく解説します〜

無垢材家具を検討している際に聞き慣れない単語が出てくることがしばしばあると思います。このブログエントリーでもそのような単語をピックアップしてわかりやすく解説するいくつか書いています。前回は木表と木裏について書きました。こちらのエントリーではそれまで書いたシリーズのリンクを貼っていますので、まだご覧頂いていない方はそちらからどうぞ。

さて、今日取り上げるのは「割れ」、「節」、「入り皮」です。

「割れ」とは、板を乾燥させる過程で、繊維方向による収縮率が違うため、引っぱりあって割れが生じてきます。つまり、水分が十分にある伐採した時点では割れは生じていません。しかし、乾燥させないと十分な強さもでませんし、置いておくだけで乾燥は進んでいきます。木を使って家具を製作する側としては、割れがある部分を避ける傾向にあるため、出来れば割れて欲しくありませんが、意図的に防ぐことは難しいので受け入れるしかありません。材木市場でキレイな木目の板を運良く競り落としたとしても、乾燥が進むうちに真ん中から割れてしまうこともよくあることです。割れた時は、さすがにショックですが、割れたからといって板全部が使いものにならないわけではないので、どうやってその木を活かすかを考えるように頭を切り替えることが必要です。

ソリウッドでは、自社で乾燥させることをやっているので、割れに出くわすこともしょっちゅうあります。先ほども少し書きましたが、割れたからといってその板が全く使い物にならないといったことにはなりません。割ったところで板を切り、2枚別々に使うことも出来ます。ソリウッドでは、耳つきテーブルの耳部分に割れが入ってカットした板を使うことが多いです。

板の仕入れや乾燥を担当している瑞木@相模湖は常に割れと向き合い、試行錯誤しながら板の乾燥を行っています。そのあたりのことをブログにも書いていますので、いくつかリンクをしておきます。

乾燥中に割れる板を見極めることはできるのか?

割れてしまった板にはそれなりの使い方がある

木材乾燥中の割れをくい止める作戦、失敗。ああ…

次に「節」です。

「節」は枝があった部分です。木目の途中に丸い模様のように出てきます。「節」には「生節」と「死節」があります。枝が生きた状態で木が成長して包みこんだものを「生節」といいます。枝が枯れてから包み込んだ状態のものを「死節」といいます。「生節」は、まわりの木目部分と節の部分が一体化されているので、節の部分が抜け落ちることはありません。逆に「死節」は節の部分がポロッと抜け落ちることがあります。抜け落ちると穴があいてしまうので、テーブルの天板や家具に使うときはその部分を樹脂で埋める処理を施します。

「節」は一般的に木材の欠点といわれることが多いのですが、枝がない木は無いわけであって節もあって当然といえます。死節でもしっかりと樹脂で埋めてあげれば、機能面では全く問題ありません。ですが、見た目の問題で「目玉みたいで苦手」という方はいらっしゃいます。しかし、節の周りには面白い木目がでるのも事実です。

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ソリウッドの定番であるストレートカットテーブルでは大きめの節は表にはこないようにします。耳つきのテーブルでは、節が見た目のアクセントにもなるのであえて節をいえることもあります。

「入り皮」はこの中では一番なじみのない単語かもしれません。「入り皮」は生きている時になんらかの事情で樹皮にキズがつき、その部分は成長せずに皮ごと巻き込まれてしまった部分をいいます。

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これはカエデ材の表面に現れた「入り皮」です。凹みが激しい部分は、節であいた穴と同じように樹脂で埋めて平滑に仕上げます。

個人的には「割れ」「節」「入り皮」はしっかりとして処置を施せば欠点とはならないと考えています。むしろ、より自然の力を感じ、より自然体で良い表情がでるのでこういったものがあるテーブルも非常に魅力的だと思っています。今後は、こういった特徴がない板を入手するのがますます難しくなる傾向に進んでいくでしょう。そこで、あえて「節」や「入り皮」がはいった板の魅力を伝えていくことが重要だと思います。

賢木@吉祥寺

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