2014.07.15

尺貫法で言われても……頭の中の計算が追いつかない。

相模湖工房では、現在屋根の修理工事をしています。大工さんが来て作業をしています。

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大工さんが使用している単位は尺貫法です。日本で昔から使用されていた単位で、現在では一部のジャンルで限定的に使われているだけになりました。家具製作の世界では、メートル法が当たり前になっているので私にとっては馴染みのある単位ではありません。ただ、大工道具の大きさを表すのに尺貫法が現在も使われいます。木工教室の生徒さんに購入してもらっているノミは3分・6分・1寸の幅です。ノミは0.5分から1寸6分ぐらいまでの幅で作られています。1分は約3ミリ。なので、3分は約9mm、6分は約18mm、1寸は約30mmになります。

材木の大きさも尺貫法で表すことがあります。材木は厚みで区別することが多いです。27mm厚の板を9分板と呼んだりもします。柱に使われる角材も3寸5分(約105mm)や4寸(約120mm)がよく使われるサイズです。

普段から尺貫法で計算している大工さんは、木材の価格も尺貫法を用います。家具の世界ではメートル法で計算することが多いので、木材の価格もメートル法を使います。メートル法ではリューベ単価を基準にしますが、尺貫法では石単価を基準にします。

1石は、10尺×1尺×1尺になります。メートル法にすると、3.03×0.303×0.303で0.2782立方メートルということになります。石単価は、1石の値段を表しています。石単価:10万円の木材があったとします。長さ10尺、幅3寸、厚み1寸の材木だと、材積が1×0.3×0.1=0.03石。これに石単価:10万を掛けます。0.03×100000=3000となるので、この木材は3,000円ということになります。

リューベ単価の感覚は身についていますが、石単価になると感覚が全然わかりません。1㎥が約3.6石なので、石単価に3.6を掛けるとだいたいのリューベ単価が分かります。石単価10万円の木材はリューベ単価にすると約36万円ということになります。

慣れないとなかなか分かりづらいですね、尺貫法。

でも、一般の方はリューベ単価なんて言われても分からないと思うはずですよね。いくら普段からメートル法を使っていても、リューベ単価という言葉はなかなか出てきませんからね。材木屋さんや木工屋さんと、板の値段の話をしない限り出てこない単語です。

リューベは1㎥のことを指しています。漢字で表記すると1立方米。略して立米(りゅうべい)、リュウベイ単価と言うのが面倒くさいのでリューベ、リューベと呼んでいる訳です。ちゃんと”リュウベイ単価は10万円です。”ときちんと発音している人はほとんどいません。だから、はじめは”リューベ”って何?ってなります。分かってしまえば簡単な話ですけどね。

材木市場のセリなどでは、価格がどの単位なのかを確認しなければなりません。板は1枚の値段だけど、丸太はリューベ単価なんて事があります。建築用の材をメインに扱っている市場などでは石単価を指している場合もあります。これを勘違いしていると大変なことになってしまいます。

瑞木@相模湖

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