2019.07.08

オイル仕上げの木のスプーンのメンテナンス方法。

2019年7月8日改訂 : タイトルと内容の一部を変更しました。

オイル仕上げの木のスプーンは使っているうちに、オイルが抜けて白っぽくなってきます。特に口に入れる部分は、オイルが抜けやすくすぐにカサカサしてきます。そのまま使っていても構いませんが、メンテナンスをする事でより長く綺麗に使用することが出来るようになります。今日は木のカトラリーに適したオイルワックスを使ったメンテナンス方法を伝えることにします。

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私が愛用している手づくりスプーンです。工房で出たウォールナットの木っ端を使って、自分で製作したスプーンです。ヨーグルトやアイスクリームを食べるのに使用しています。

使用後には普通に食器用洗剤で水洗いをしています。洗剤を使って水洗いは問題ありませんが、洗ったあとはすぐに水分をきれいに拭き取るようにしています。

それでも何回使うと、口に入れる部分が白っぽくなりざらついてきます。これはオイルが抜けてきている証拠です。

まず、ざらつきをサンドペーパーで取り除きます。#320のサンドペーパーを掛けていきます。サンドペーパーは必ず木目に沿って掛けるようにしてください。木目に直交するようにペーパーを掛けるとキズになってしまいます。

スプーンのメンテナンスに限らず、木材にペーパーを当てる時は必ず繊維方向に沿ってペーパーを当ててください。

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ざらつきが取れれば良いので、強くこする必要はありません。軽くペーパーを当てれば、ざらつきは簡単に取れます。今回は柄の部分にざらつきは出ていなかったので、ペーパーを掛けたのは口に入れる部分だけです。もし、柄もざらついたり、白っぽくなっていたら柄にもペーパーを掛けてみてください。粗いペーパーを使うとせっかくのプロポーションが崩れてしまうので、#320以上の細かいペーパーを使用するようにします。

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これが今回のメンテナンスで使用した木のカトラリー用にオイルワックスです。アメリカのHOWARD社が製作しているブッチャーブロックコンディショナーという製品です。

このオイルワックスは、木のカトラリーやカッティングボードなど木製の調理器具や食器に塗る事を前提にして作られています。そのため、耐水性や抗菌力に優れています。アメリカ食品医薬品局(FDA)の基準をクリアしていて、口にいれても安全とされています。テーブルなどに使用される植物由来のオイルよりも耐水性が強く、しばらくの間は水をはじいてくれます。ソリウッドで製作・販売している木のカッティングボードの表面にはこのブッチャーブロックコンディショナーを塗っています。

非常によく伸びてとても塗りやすいので、木の食器やカトラリー、カッティングボードなどを多数使用している方は1本持っておく事を勧めます。非常に簡単にメンテナンスすることが出来ます。

ウエスやペーパータオルなどにブッチャーブロックコンディショナーをつけて、塗り伸ばしていきます。
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シンナーなどの溶剤は使用されていないので嫌な臭いもありません。塗り残しがないように全体に伸ばしていきます。ペーパー掛けしていない柄の部分にも塗ってしまって構いません。ブッチャーブロックコンディショナーはよく伸びるので、ウエスに出し過ぎないように注意してください。

満遍なく塗れたら、綺麗なウエスで拭き取ります。べたつきが取れるまでしっかりと拭き取るようにしてください。

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はい、この通り。白っぽくなっていた部分も艶がでています。かさつきもなくなりました。今回はペーパーを掛けましたが、ペーパー掛けせずにそのまま塗っても十分に効果はあります。ペーパー掛けが面倒という方はそのまま塗ってみてください。
塗って拭き取るだけで簡単に耐水性が復活します。これは便利ですよ。

以前に荏胡麻油やオリーブオイルなどの食用油を利用したメンテナンス方法を紹介しました。食用油ということで安全性は高いですが、耐水性に関してはあまり期待出来ません。

耐水性はブッチャーブロックコンディショナーの方が上です。

カッティングボードにも使用出来ますし、いろいろとメンテナンスするオイル仕上げの木製品を使用している方にはブッチャーブロックコンディショナーをオススメします。最近は、ネットで扱っているショップが増えました。リアル店舗で売っているお店は発見できていませんが、ネットショップを利用すれば手にするのはさほど難しくありません。

荏胡麻油やオリーブオイルを利用したメンテナンスはこちらのブログ記事をお読み下さい。
木のスプーンの手入れの仕方

木のスプーンは口当たりがマイルドで歯に当たっても痛くありません。金属製のスプーンと比べると軽くて一度使ってみると、使用感が心地良くで手放せなくなる日用品になると思います。気に入った形の木のカトラリーを見つけたらぜひ使ってみてください。いくつか道具が必要になりますが、自分で作るのもそれほど難しくないですよ。木のスプーンを作るワークショップもいろいろな所で開催されています。

※メンテナンスが出来るのは、オイル仕上げのモノです。ウレタン塗装されているものや漆が塗られているものは、ここで紹介したメンテナンス方法はできません。ウレタン塗装や漆塗装のものにサンドペーパーを掛けると塗装が剥げてしまうので絶対にやらないでください。

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