2014.05.10

無垢材と化粧合板はなにが違うのか?

※2017年8月7日追記:末尾に関連ブログエントリへのリンクを貼りました

木は我々の生活の身近の所にたくさん使われています。家具に限らず、家のフローリング・壁・手すり・などなど木が使われていない家や部屋なんてのほとんどないと思われます。しかし、普段の生活ではどこにどんな木が使われているなんてのはほとんど意識していないでしょう。逆にいうとそれほど当たり前になっているという事でもあります。

〇無垢材は木そのもの、木質製品は木を素材にして再構成したもの。

木の使われた方は大きく分けて、2種類です。無垢材とそれ以外の木質製品。無垢材は木そのものと理解してもらえばいいです。伐倒された木を製材して、乾燥させて、ネジレや反りを取り除いてそのまま使用します。木質製品とは木を使っているけど、それ単体ではなく他の素材(木を含む)と組み合わせて再構成している素材です。木質製品の代表は合板です。合板は薄くした板を奇数枚、繊維方向を90°ずらして互い違いに重ねて接着剤で接着した板です。ベニヤとも呼ばれていますね。一時期、合板と言えばラワンを使ったラワン合板でした。しかし、今では他の木材を使った合板も多く使われています。ラワンは昔に比べて手に入りにくくなりました。他にもMDFやパーティクルボードも木質製品になります。これらは細かくした木材繊維を接着剤で固めたものになります。家具やフローリングに使われる木質製品はその表面にツキ板と呼ばれる薄い板を貼っています。合板にウォールナット材のツキ板を貼った物をウォールナットツキ板合板、あるいはウォールナット材の化粧合板と呼んでいます。

このツキ板ですが、厚みがどのぐらいあると思いますか? 1mmぐらい? 5mmぐらい?

正解は0.2mmや0.6mmです。想像より薄いと思った方が多いと思います。ツキ板1枚では簡単に破くことが出来てしまいます。ツキ板はスライサーにかけて薄くします。野菜を薄くスライスする時に使うスライサーと同じ原理と理解してください。と言う事は、1本の丸太から採れるツキ板はとてつもない数になります。0.6mmのツキ板を想定すると10cmの厚みの板から約160枚のツキ板が採れることになります。(実際はこんなに都合の良い数字にはならないかもしれませんが…)

〇化粧合板の特徴は均一性

となると、同じような木目のツキ板が大量に生産されるようになります。化粧合板を生産する場合、1枚のベニヤ板にツキ板を並べて接着します。当然、1ロットの上から1枚ずつ取って並べていくので、同じような木目が並びます。
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とある会議室の壁を撮影したものです。綺麗に同じような木目が並んでいますね。このように同じ木目が並ぶがのが化粧合板の特徴です。わざわざ、ロットの違うツキ板を隣にもってくるなんて事はしません。化粧合板はその木目が均一化されます。

〇無垢材の特徴は、バラバラのモノの調和。

ところが、無垢材ではこうはいきません。無垢材は収縮するので上の合板のようにただ横並びに無垢材を並べることは通常しません。フローリングのように予め伸び縮みする空間を確保するようにしますので単純には比較できません。テーブルとして考えた場合無垢材を使う場合は30mmぐらいの厚みが欲しいところです。30mmの板を採るには約38mmに製材された板を使います。となると、1本の丸太から採れる板の数は多くありません。隣あっている板でもツキ板のようなごくわすがな違いしかないようにはなりません。間2枚ぐらい離れると木目の模様はだいぶ変わってきます。そのため、いくら同じ丸太から採れた隣あった板を並べても化粧合板のような均一性を出すことはできません。これが、無垢材と化粧合板の大きな違いです。無垢材はバラバラで均一性がありません。しかし、これが無垢材を使う最大の理由とも言えます。私はこのバラバラ感が無垢材の良さであると考えています。

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ナラ材の収納棚の扉部分です。框に囲まれた部分を鏡板と言いますが、ここには4枚の無垢のナラ材が並んでいます。よく見ると1枚1枚の木目・色は違います。でも、不自然さ、違和感を感じることはないでしょう。バラバラではあるけど、全体で見るとさほど違和感を感じずにしっくりくる、これが無垢材の良さだと私は考えています。

逆に化粧合板のように均一の木目がたくさん並んでいるほうが、不自然さや違和感を感じます。

テーブルの場合も
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先ほどの会議室にあったテーブルです。壁と同じように均一化された木目が並んでいます。

無垢材だと
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比較的均一的な木目になりやすい柾目の板をしようした場合でも
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やはり1枚1枚の板の表情はそれぞれです。

無垢材でも化粧合板でもメリット・デメリットはあります。どちらが優れているといった判断をする事も好ましいとは思っていません。ただ、製造する過程の違いから見た目にこういう違いが出ることを知ってもらい、無垢材が醸し出すバラバラだけど調和している雰囲気を気に入ってもらえる方には無垢材のテーブルや棚を使ってもらいたなと思っているだけです。

最後に、無垢の薄い板を貼った壁の写真を掲載します。今はもう住んでいませんが、私が育った家の廊下です。

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詳しい構造は分かりませんが、薄いナラ材を貼っていると思われます。完成から30年以上経っていまので、1枚1枚に段差ができてます。完成当初の様子がわかりませんが、年月が経って木材が収縮してできた段差でしょう。
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追記:
このブログを書いた翌日に賢木@吉祥寺が関連した内容のブログを書いています。知識がないと無垢材と化粧合板の家具を見分けるのは難しいです。でも、知っていれば簡単に見分けられることができます。見分けるコツは木口を見ること。詳しくは下記のリンクからどうぞ。

無垢材と化粧合板はどう見分けるのか?

そもそも無垢材ってなに?という方はこちらのブログもどうぞ。

ソリウッドは無垢材家具専門店です。”無垢材”って何?という方はこちらをどうぞ!【No.1447】

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