2014.02.15

繊細な表情をしているカエデ材。見た目とは違って中身は詰まってる。

先月に仕入れてきたカエデ材を紹介します。

白っぽい色の広葉樹の代表格のカエデ材。お客様の要望で明るくてなるべく白っぽい板が良い場合に提案することが多い板です。

カエデ材の魅力はスベスベした木肌。導管が細いためその手触りは抜群に気持ちいいです。そして繊細な木目。遠くから見ると、ほとんど変化のない木目に見えますが、近くで見ると細かく緻密で美しい木目を持っているのが分かります。

その色、木目からとても柔らかくて、軽い印象を持ちますが、実際には重くて堅い木の部類に入ります。見た目とは裏腹で、とてもガッチリして頑丈です。

もう一つ、カエデ材の大きな特徴は乾燥の難しさです。水分が抜けるスピードは他の材と比べて特に違いはないですが、乾燥に伴って材が大きく動きます。幅の広い板は大概ネジレます。人工乾燥庫に入れて、変化が少ないカエデ材の数は非常に少ないです。

ただし、水分がしっかりと抜けてしまえば、その後に大きく変化することはなくなります。乾燥が非常に重要な意味をもつ樹種と言えます。

今回仕入れたカエデ材はこんな板です。
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全面に割れ防止剤が塗られているので、色が濃く見えます。が、削ればカエデ独特の白い木肌が現れます。しっかりと割れ防止剤が塗られているのは、カエデが乾燥時に動きやすい木である証拠でもあります。同じ丸太から採れた板を3枚仕入れました。幅は500ミリほどあります。ただ、再三言っているようにカエデは乾燥時のネジレが多く出るので、その幅で使うことは出来ないと考えています。真ん中で半分に割って使うと想定しておいたほうが無難です。なので、ぼくはカエデ材に関しては幅広いことに価値をみることはしません。

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さざ波のような模様をしている箇所もあります。仕上げるとキラキラしてキレイになるはずです。

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またカエデには入り皮といって、成長時に樹皮を内側に巻き込むことがあります。こうした部分があるのもカエデの特徴と言っていいでしょう。

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筋状に色が変わっている部分がある場合があります。これは鉱物質が堆積したもので、ものによっては堅いものもあります。(専門用語で”かなすじ”と呼ばれています。)が、使用上で全く問題はありません。

仕上げるとこんな感じになります。(これは既に売れてしまったカエデ材3枚はぎテーブルです。)
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今回紹介した板はまだ未乾燥のため、すぐにテーブルを製作することはできません。が、乾燥が終わっているカエデ材が数枚あります。それの板で耳つきのはぎテーブルを一台製作することが可能です。
興味がある方は吉祥寺ショールームまでお問い合わせください。

カエデ材はソリウッドの強化指定木材(ぼくが勝手にそう思っているたけですが…)なので、今後も耳つきテーブル用の板は着実に増やしていきたいのです。今月の木材市場でも、良さそうなカエデ材を購入しました。来週には工房に来る予定ですが、この大雪のせいで予定通りにならないかもしれません。早くじっくりと観察したいのですが、自然現象には逆らえませんからね。

瑞木@相模湖

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