2013.10.10

木の名前の翻訳は難しい!?

大ヒットとなったNHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」が9月末で終り、10月からは「ごちそうさん」が始まりました。その「ごちそうさん」の第1週放送で「アカナスご飯」という食べ物が登場します。見た目は赤くケチャップライスのようなものを「アカナスご飯」と読んでいました。それがなんなのかピンときませんでしたが、後で調べてみるとアカナスはトマトだとわかりました。ドラマの時代設定が明治時代ですので、トマトという言葉がまだ日本には浸透していなかったということでしょう!

でもアカナス、漢字で書くと赤茄子がトマトとは、しっくりくるようでこないような不思議な感覚だと思いました。

なんで突然、「アカナス」の話を書いたかというと、今日は木の名前について、日本語と外国語の違いについて書いてみようと思ったからです。

ケヤキ(欅)はKEYAKI?

まず日本原産の樹種についてみていきます。日本の代表的な木であるケヤキ(欅)は、学名だとZelkovaと言われるようです。しかし、外国には似たような材もなく、外国の方にもなじみがなく、Japanese treeのように表現してしまったほうがケヤキらしさが伝わるようです。

同じく栃も日本の木といえる木ですが、栃は欅と違って外国でも親しまれている同じような木があります。それは「マロニエ」の木です。「マロニエ」はフランス語です。ヨーロッパでは街路樹として有名な木で、パリやベルリンといった都市でも見ることができます。日本でもお店の名前などにも使われているので、ご存知の方もいるでしょう。

正確にいうと、日本のトチとヨーロッパのトチは実のカタチなどが違うようです。

以前ショールームにいらした外国人が栃材のテーブルを指差し、これは何の木か聞かれたことがありますが、日本の「マロニエ」だと言ったら、ピンときたようでした。

ナラ(楢)は「オーク」、カシ(樫)も「オーク」

ナラ材もオーク材もどちらも聞いたことがある人は多いと思います。フローリングや家具の材としてどちらもよく聞きます。ナラが日本語でオークが英語であることは間違いありませんが、内装や家具関係の材として使われる場合、産地によって使い分けされる場合も多いです。例えば、日本や中国、ロシアなどで採れたものをナラ材と表記し、ヨーロッパや北米で採れたものをオークと表記するといった感じです。ソリウッドでも、このように表記しています。オーク材の中でもホワイトオークとレッドオークに分かれます。

実はナラ材とは違うカシ材も英語ではオークと言われます。ナラは、落葉樹ですが、カシは常緑樹です。日本では、古くからカシ材を大工道具などに使ってきました。そのため、ナラとカシは必ず区別して使われることが多いですが、英語では落葉樹のナラと常緑樹のカシをひっくるめてオークと呼ぶようです。

呼び方ひとつでも、それぞれの国の文化と木の使われ方によって違ってくると考えられます。

間違えやすい「ビーチ」と「バーチ」

椅子が好きな人は「ビーチ材」といえば、ハンスJウェグナー氏がデザインしたYチェアを思い浮かべるのではないでしょうか?ウェグナー氏のYチェアは、ヨーロッパ産のビーチ材を使うことが多いのですが、ビーチは日本語では「ブナ」にあたります。

ビーチとは別にバーチ材と呼ばれる樹種もあります。「バーチ」は日本語でいう「カバ」です。この2つは発音が似ているので、どっちがどっちかわからなくなることもしばしばです。英語のスペルでもbeechとbirchと書きます。特にbirchはなんとなく「ビーチ」と読めてしまうような錯覚に陥るので余計に混乱します。

この他にも「ウォールナット」と「くるみ」や「メープル」と「カエデ」などの訳語があります。このあたりも業界的な暗黙の使い分けなどもあったりしますので、いつかブログ記事にするかもしれません。

賢木@吉祥寺

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